僕らの未来が豊かになるかもしれない「森林環境税・森林環境譲与税」を知っていますか?

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こんばんは、愛知県西尾市の公務員・村田裕昭です。

みなさんは、タイトルにした「森林環境税」と「森林環境譲与税」をご存知ですか?

簡単に言ってしまえば、
①地球温暖化防止や災害防止、国土保全のため、森林を整備・管理するための財源確保
②森林所有者の経営意欲の低下や所有者不明森林の増加、境界未確定の森林の存在や担い手の不足等の課題
を解決するための新たな税金です。

この2つの税については、平成17年より検討が始まり、平成30年度税制改正の大綱において平成31年度からの税創設へと至ったものです。
法律案の施行期日としては、平成31年4月1日としています。

では、僕らの生活にどのように影響があるのか、何を考えていけばいいのか、を簡単にまとめてみます。

1 森林環境税

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森林環境税は、平成36年度より個人住民税の均等割の納税者の方から国税として一人年額1,000円を徴収することになります。
個人住民税の均等割者数は全国で約6,000万人となることから、約600億円の規模となります。

2 森林環境譲与税

森林環境譲与税は、国に一旦集められた税の全額を、間伐などを実施する市町村や、それを支援する都道府県に客観な基準で譲与(配当)します。
こちらについては平成31年度より開始としています。

では、譲与(配当)の財源はどうするの?と言うと、平成36年度から始まる森林環境税の課税、徴収による財源確保をがあることを見込み、先に国の財布から持ち出し(借入)することで、平成31年度より譲与(配当)を実施。
後に、森林環境税による財源を持ち出した財布に償還(返済)していくことで財源を回す方法です。

ちなみに、平成31年度の譲与(配当)金額は約200億円を予定しているとのこと。

3 使いみちはどんな感じ?

譲与を受ける場合には、使途を明らかにする等のルールは当然ありますから、必要な自治体がしっかりと現場を把握して利用することが大切です。

主な使途は三点。
①間伐や路網などの森林整備
②人材育成、担い手の確保
③木材利用の促進や啓発活動

そして、今回の税の導入することで、以下のような効果が期待されています。
①各地域でこれまで手入れできていなかった手入れが可能となる
②あまり森林がない地域でも、植林や育林の活動が増加、新たに都市と山村連携の取組が生まれるかもしれない
③税収の確保により安定した公益的機能を果たす森林整備はもちろん、地域の雇用など地域活性化も担えるきっかけになる

(1〜3までのイメージ)

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一方で、新たに僕らからの税金の譲与(配当)を受ける自治体は、その成果をしっかりと公表し、成果を出していくことが重要である、と考えられています。
(譲与の額は規模等により変動します)

新たな税制度とはいったものの、まだまだ知らない人の方が圧倒的に多いのではないでしょうか。

まずは、関連サイト等にて情報収集していくことから始めましょう!

4 僕らは何を考えるべき?

僕は、今回の税をきっかけに森林という自然、言葉を通して僕らの豊かさとは何か?を考え直す機会にしたいと考えます。

国民から1,000円を徴収するの?譲与税を多く引っ張った自治体がいいのか?に議論をもつことは、今回の税制度の本当の目的ではないでしょう。

僕は、税制度を各自治体が使い倒すよりも、今回を機に市民や職員が地域にある、大きく言えば日本中の地域にある自然環境をどうしていきたいのか、どうやって維持されているのか、など自然のある暮らしや豊かな未来を考えるきっかけにしていくことこそが今回の税制度の本筋であり、大切ではないかと思います。

僕の暮らす、働く西尾市で言えば、海・山・川といった自然環境溢れる地域でありますから、ダイレクトに今回の森林環境税、森林環境譲与税による影響を受けられる地域と考えられますから、すごくいい機会ではないでしょうか。

記事内の写真は全て西尾市にある三ヶ根山へ遊びに行った際に撮影したものです。
この景色が見られる僕は、目には見えないエネルギーや豊かさを毎日感じられています。

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僕らの豊かさは、お金だけではないでしょう。
僕らの目に入ってくる自然も、当たり前ではありません。
そんなことを考える、気づく人が少しずつ増えるだけでも、今回の税制度の意義はあると感じます。

もちろん、今回の税制度が地域に見合った形で活用されることで、森林環境整備が進むことを大いに期待します。

多くの人が新たな税制度と未来を考える機会になれば幸いです。

※本記事における説明はかなりザックリな内容となっていますので、ご承知ください。

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ABOUTこの記事をかいた人

ムラタ ヒロアキ

ヒトとの出会いをきっかけに西尾市役所へ転職。ふるさとプロデューサー。
行政マンと個人の両目線をもってブログ「Murabridge」を運営。
日常に溢れる地域資源を発信し、自らが訴求したいことで何かとつながる(架け橋)を目指す。
そこから生まれる新たな世界と展開を求めて。