テクノロジーの導入によって行政の仕事や働き方はどのように変わるのか?を楽しく考える。

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テクノロジーが行政に必要になっていく時代に、僕らはどのように働いていくのか。

西尾市の隣町である安城市が、保育園の入園に関する業務に人工知能(AI)のシステム導入をするという記事が目に留まりました。
(2月8日金曜の中日新聞・西三河版)

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システム導入によって得られる効果としては、人による入園業務の受付や審査等の手続きをAIが代替することで、人的コストや人による労力の負担減や、スムーズな行政運営を行えることだと考えられます。
同じ職で働く身としては非常に気になる分野です。
今後活用する自治体は増えることは明白。

西尾市としても、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入へむけて動き出しています。
画像は中村市長によるブログです

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個人的にも、テクノロジーを積極的に取り込んでいくことに対しては賛成派

しかし、僕らは毎日『テクノロジー』、『AI』、『ロボット』などのワードをメディアやインターネットで目にするにも関わらず、「行政がガッツリとテクノロジーを導入した」という話題はまだまだ多くはありません。

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その原因としては「テクノロジーを本当に入れるべきなの?」、「導入することで働く公務員はどうなるの?」というテクノロジーへの理解や導入イメージ、成果実績がまだ少ないことから先送り=各自治体が導入しにくいというのが現実だと思います。

そこで、僕なりにテクノロジーについて知ってきたことや捉え方、テクノロジーを導入するために必要だと感じる2点をまとめてみます。

①テクノロジーを『知る・使う・創る』のステップを体感することで、テクノロジーリテラシーを高める!

この話は、僕が一番初めにテクノロジーのことを教えていただき「面白いなぁ」と腑に落ちた話を紹介。
きっかけは、西尾市のハズフォルニアに暮らされている『株式会社働きごこち研究所」の代表である藤野貴教さんとの出会いです。

藤野さんは、自身の実体験を元に『2020年 人工知能時代の幸せな働き方』という著書を出版。
出版記念イベントが行われた際に聞いた内容が、今の自分のテクノロジーへの興味、働き方の考え方に対して非常に影響を受けています。

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その中で一番印象に残っているのは、テクノロジーを『知る・使う・創る』です。
(藤野さんの著書より)

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これは『テクノロジーが何なのか?何ができるのか?』をまずは知ること
そして、実際に使ってみることで、自身が必要なコトに対して創るをしていきましょう、というステップです。

藤野さんの著書に書かれているのは『LINEのりんな』という女子高生AIを活用したソーシャルチャットbot。
まるで本当に会話をしているようなLINEのやりとりを無料で体験できる。
そして、りんなは数え切れないくらいのチャット内容を機械学習することで、適切な返信ができるようになる、という仕組み。
藤野さん曰く、初めは関西弁が通用しなかったのに、関西人が言い続けた結果、りんなも関西弁が言えるようになったとか。笑
こんなサービスを使うだけでも、AIは面白いが体験できます。

次に、イベント時に例を挙げていたのは『メルカリ』というフリマアプリ。
メルカリで出品する際には、洋服や本の写真を撮影。
すると、その画像をAIが認識し、商品が何のカテゴリーにあてあまるのかを自動で分類、判断できる技術が入っている仕組み。
藤野さんは、その瞬間に気づけて感じる「ワオ!」という実体験がすごくいいんだ!とおっしゃっていました。

こんな感じで、身近な日常の中でもAIが活用されていることに気づくことができ、その体験を元に自分の仕事でも何かできないのか?という本質につながるという話。

そして最後に、リアルな行動に移すことが大事だということをおっしゃられています。

このステップを踏んでいくことで、『テクノロジーリテラシー(知ってるだけでなく、自分の言葉で自分の仕事やビジネスに置き換えて話せるかどうか)』が底上げされ、個人としても組織としてもテクノロジーと仲良くなれる=自分たちの仕事をうまく楽にしてくれる方法が見つかるにつながるのだと思います。

僕がこのように少しでも記事にできるのも、藤野さんに出会い、『知る・使う・創る』の実体験したからこそだと思います。

僕のような非エンジニアには、業務内容や関心度の差によって日常には落とし込みにくいのも現実。
しかし、やってみることが大事です。
まずは、『LINEのりんな』からはじめてみましょう!

藤野さんの出版記念イベント時の記事はこちら。

2020年人工知能時代”行政マンの幸せな働き方”をオレ的にマジで考えてみた!

②『機械が目をもった』という感覚をもつ

安城市が導入した入園業務に関するAIを例として例えるならば『人の目をもった機械に任せる』ということだと思います。
どういうことか。

今まで職員の人が行っていることとして、受付事務、データ入力、適否判断、相手に連絡くらいにまとめて考えると、この仕事には必ず人の手が必要なスキーム
その仕事の背景には、人手、正確性、コスト、学習、時間、業務量など、人の苦労が不可欠=効率化や労働力に負担のかかる業務だということが言えます。

そんな、人が担う仕事になぜAIが適しているのか。
簡単に言えば『正確な作業が得意で、かつ自動で苦がなく疲れず学習していける機械だから』です。
藤野さんは『Excelっぽい』と例えており、『決まったことを決まったカタチで仕事をするのが得意』と捉える。

一方で、人間は身体や感情があるから心身に疲労感も覚えるという説明を聞くと、AIの存在は敵ではなく、僕ら人間の強み(アイデアや妄想、身体の存在)を活かしやすくしてくれるんだ、と捉えることができて納得がいきます。

もちろん、AIは人工知能ですから、学びを与えた前提があって稼働させなければただのハコですので、最初はほんの一部から始まり、そこからプラスにしていくことが重要。
そこに対するアプローチ(継続的な機械学習導入や効果の検証、コスト等の検討)さえ軌道に乗れば、人の目をもったAIが僕たち人の労を助けてくれる。
すると、今まで手をつけられなかった業務に動ける=行政サービスの向上につながるというモデルが出来てきていけるし、テクノロジーと仲良く働いていく公務員になっていくんだと思います。

とは言っても、すべての業務に置き換えるソフトやデータが全て揃っているわけではないので、まずは今回の安城市のような各自治体による取り組みに関心をもち、どんなことができるんだろう?なんて簡単な考えからでも興味をもつ職員が増えることが大事になるでしょう。

西尾市においても、働き方が変わる可能性は十二分にありますね。

本庁舎

まとめ テクノロジーを楽しもう!

結論、まずは僕ら行政の人間が『まずはテクノロジーを楽しもう!』からではないでしょうか。
そのために必要な身体やアイデアは人間が兼ね備えているわけで、結果テクノロジーを活用しよう!につながるのではないでしょうか。

そして、一人で考えるのではなく、誰かと一緒に面白おかしくテクノロジーについて話し合うことも大事なきっかけだと思います。

未来の行政がテクノロジーの力によって助けられ、より楽しく働ける未来ができると信じています。

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ABOUTこの記事をかいた人

ムラタ ヒロアキ

ヒトとの出会いをきっかけに西尾市役所へ転職。ふるさとプロデューサー。
行政マンと個人の両目線をもってブログ「Murabridge」を運営。
日常に溢れる地域資源を発信し、自らが訴求したいことで何かとつながる(架け橋)を目指す。
そこから生まれる新たな世界と展開を求めて。